不動産チラシの見方と用語の意味【注文住宅のための土地探し】

家造りは、土地探し&購入こそが「最も重要」といえるほど、大切なプロセスになってきます。土地1つ1つにはそれぞれ異なった細かな情報や条件がいっぱい。ぱっと見良くても実は落とし穴が潜んでいたり!土地探しに必要な専門用語や、覚えておきたいことなど、探し方も含めてわかりやすく説明します。

土地を買うなら知らないと損!不動産専門用語とそれが意味する落とし穴

私達のように注文住宅を建てたいと思っている場合、まずは家を建てるための土地を購入する必要があります。特に親から引き継いだ土地がなかったり、希望する広さと立地に家を建てたい場合は、また新たにゼロから土地を探すことになりますよね。私達も約4ヶ月前から、今も現在進行系で土地を探し続けています。そこで今回は、私達が土地探しで学んだこと、覚えておきたいことなど、探し方も含めて細かくシェアしていきます。

土地を探し始めると、チラシやネットなどでその土地情報がぎっしりと載った「土地概要」というものを目にします。土地概要とは、その土地に関する全体の要点をとりまとめた資料のことをいって、これを見ることで、どんな土地なのかが大体分かるようになっています。でも、実際に概要に書かれている内容には難しい用語が多く、土地を探し始めた初心者の身にはチンプンカンプン。ついつい「立地」「面積」「価格」ばかりに目が行ってしまいがち。しかーし!全ての情報をしっかりと理解して、「総合的」に判断することが、土地購入では最も大切なことなんです。

以下のサンプル画像のような土地概要の資料や、同じ内容が掲載されたウェブサイトで土地の情報を収集することが多いかと思いますが、どんな内容が載っているのか、またその意味は何なのか、土地探しを始めるまで私達も知らなかったのですが、忘れないよう&これから土地探しを始める方の参考になるよう1つ1つ説明していきます。

土地概要資料(とちがいようしりょう)

Credits // MEGASOFT
だいたいの土地概要の資料はこんな感じ。土地の地形図とその概要がまとめて記入されています。なにか問い合わせたい場合は下部の不動産に連絡します。

所在地(しょざいち)

都道府県名は省略されていることが多いです。○丁目まで掲載している会社が多いので、現場を見に行きたい時や周りの環境を調べたい場合など、番地まで知りたい場合はハウスメーカーの担当営業や、直接不動産まで問い合わせをする必要があります。

価格(かかく)・坪単価(つぼたんか)

土地の価格は非課税となるので、消費税はかかりません。
しかし、実際に立てる建物の価格については消費税の課税対象になるので注意。税込などと記載のある場合もありますが、一般的には税込価格の場合が多いようですが、先に確認しておくことをオススメ!

坪単価(つぼたんか)

坪単価とは、3.3m2あたりの金額を坪単価といい、土地の価格を坪数で割った金額のことを指します。地域によって驚くほど坪単価が変わってくるので、住みたい場所の平均坪単価をしっかりとリサーチして、見つけた土地の価格が高すぎないか、もしくは低すぎないかリサーチしましょう!

土地面積(とちめんせき)

土地の面積。表示方法は「m2」と「坪」の両方を記載している会社が多いです。
「m2」と「坪」のどちらかしか表記が無い場合、〇〇.〇〇m2(x0.3025=〇〇.〇〇坪)という計算で出すことが出来ます。*延長敷地やセットバック等、消防などの関係で道路の接地状況などに応じて家を建ててはいけない部分がある場合 有効面積が減少してしまうので要チェックです!
例:土地は50坪でも、セットバックなどで家が建てられるところは40坪など。

現況(げんきょう)

対象物件の状況を記載する項目です。(例:古家有・更地・空家・居住中等)
土地売買で「古家有」の場合は、一緒に解体費用について確認をしておくのがおすすめ!道路の幅や古家の素材(鉄骨や木造)によって解体費用も差が出てくるので、1番ベストなのは更地渡しにしてもらうことだと思います。

引渡し(ひきわたし)

購入後の引渡し時期についての項目です。
主に「相談」が多く、この場合は、売主様・買主様がお互いに相談して引渡し日を決めることになります。

取引態様(とりひきたいよう)

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介・売主・代理など種類がありますが、売主以外は物件とお客様との売買を仲介する業務を行いますので仲介手数料が発生します。

仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

不動産会社が仲介に入り、取引が成立した場合に報酬として不動産会社に支払う手数料です。
また、宅地建物取引業法により仲介手数料の上限が定められています。400万円を超える物件では次の速算式で手数料の計算をすることができます。
例)売買価格が1,000万円場合 1,000万円×3%+6万円×1.08(消費税)=388,800円
時々売主でも手数料3%と掲載している場合もありますが、値引いてもらえる場合もあるので要チェックです。

地目(ちもく)

日本の不動産登記法上では、用途による分類のことをいいます。不動産取引時に多く見られるのが「宅地」「畑」「山林」「雑種地」などで、全部で21種類あります。
実際の土地の現状と登記簿上の地目は一致しない場合がありますが、同じでなければならないことはありません。家を建築する為には、この地目を「宅地」に変更する必要があります。また、分譲地では建物を建てなければ宅地にならないところもあります。

地勢(ちせい)

「平坦」、「高台」、「傾斜地」のように、土地の高低、傾斜具合を表します。

建ぺい率(けんぺいりつ)

敷地面積に対する建築面積の割合の事です。
敷地を真上から見たときに、敷地に対して建物が何パーセントあるか?という事で、建ぺい率60%であれば、敷地の6割が建物であり、残りの4割は空地(庭など)ということになります。その数値が用途地域の規制であり建ぺい率に収まっていればOKということになります。

容積率(ようせきりつ)

敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合の事です。
つまり、その敷地に対してどれくらいの規模(床面積)の建物が建てられるか、という割合のことで、これも建ぺい率と同じく用途地域ごとに制限されています。2階建ての建物の場合1階と2階の面積の合計が、土地の大きさの容積率に収まれば良いので、これによって自ずと一軒家なのか、もしくはアパートにも出来るのかなど判断することができます。

交通(こうつう)

最寄の交通機関(駅・バス停)から対象物件までの距離と所要時間です。
徒歩の場合は80m=1分・自動車は400m=1分で分数を算出しているので、実際の所要時間とは異なる場合があります。気になる土地を見つけたら、実際に自分の足で測ってみることをオススメ!

接道(せつどう)

対象の物件がどのような道路に接しているかを記載する項目です。
物件からみて接している道路の方位と道路幅(幅員)を記載しています。
例:北側、幅員4m公道に接道(物件の北側にある4m幅の公道に接しています)

私道・公道(しどう・こうどう)

私道・公道のどちらかになります。公道4m未満2m以上の場合は セットバック(何も建てたり置いたりしてはだめなエリア)が必要なので注意です!また、私道は民間が管理することになるので、別途お金が必要になることもあります。(U字溝フタ、排水つまり、アスファルト補修など)

都市計画(としけいかく)

乱開発にならないように、土地の利用をはじめ、施設の整備、市街地開発事業を適正に行う為の町づくり計画のことをいいます。
都市計画区域内には、市街化区域・市街化調整区域・都市計画区域外などがあり、原則としてこの項目が「市街化調整区域」の場合は建物を建築することができません。市町村によっては、特例がある場合があります。市街化区域の場合は、優先的に市街化をすすめる地域になっているという意味です。(街が廃れていく心配が無さそうというジャッジが出来ます!)

用途地域(ようとちいき)

全12種類に区分された都市計画法で建築できる建物とその規模を制限した地域が記載されます。
おおまかに住居・商業・工業の三つにわかれていて、中でも工業専用地域の場合は住宅が建築できないというように、それぞれの用途地域により規制がかかります。ここを選ぶことにより将来の周辺環境を把握することが可能です。商業地域では、将来お店を開くことも出来ますし、万が一土地を売ろうとなった場合に、商売をしている人に売りやすいといったメリットもあったりします。

建築条件(けんちくじょうけん)

建築条件付もしくは、建築条件なしと表記されています。
条件付きの場合は不動産屋さん指定の建築会社に住宅を頼むことが売買の条件になっているので、ハウスメーカーさんを決めてから土地探しをしている場合には残念ながら諦めることになりそうです。時々交渉次第によっては可能な場合もあるので聞いてみるのもダメ元で聞いてみるのもオススメです。

法令上の制限(ほうれいじょうのせいげん)

(例)建築基準法などの特別な制限がある場合に表記されます。 農地法:農地転用がけ条例、宅地造成等規制法 (都計法)高度地区 (基準法)第22条など。防火地域などもよく記載があるので注意!
ここに記載があった場合、造成などで費用がかかることもありますので、追加でいくらぐらいかかるかを先に確認するのがおすすめです。

設備(せつび)

「電気」「ガス」「上水」「下水道」「側溝」「浄化槽」など、なにが使えるかが表記されています。
前の道路にまで来ているということだけなので、自宅のメーターまで引っ張るのには別途費用がかかります。特に表記がない場合は、少し離れた道路からひかなくてはならないため費用がたくさん掛かると思われます。水道の配管に関する私の経験談を紹介すると、前に建っていた建物が古い2階建てで、新たに3階建てを建てたい!となった場合に配管の太さがそのままでは細すぎて、3階まで水を上げる水圧が確保出来ずに、全て取り替える工事だけで240万かかるという土地に出会ったことがあります!(それ以外は完璧だったのに関わらず)しっかりとリサーチしましょう!

土地権利(とちけんり)

土地の権利を表示します。所有権物件を通常としていますが、なんかお得な土地だな〜という場合は、「借地権」という場合がほとんどです。借地権とは簡単に説明すると、第三者の土地を借りて、その土地に自己所有の建物を建てられる権利ということです。地主さんには土地を借りる対価として毎月地代を支払います。(家賃のようなもの)この場合、建物は自分のものだけど、その土地は自分のものではないので、様々な制約がある場合があるので注意。メリット・デメリットをしっかりと確認しましょう!

情報公開日(じょうほうこうかいび)

当該物件情報が公開された日を表示します。この日付が古ければ古いほど売れ残っているという意味なので、その理由のリサーチをしっかりと行うことがマストです。

特記事項(とっきじこう)

その他特別に記載すること。ない場合も多いです。よく挙げられる当該物件の特徴として「日当り良好」等の情報が表示されています。事故物件の場合は、「告知事項あり」と書いてあることが多いそう!

いかがでしたか?土地購入は人生でも数少ない最も高いお買い物の1つ。そして住居という私たちが生活する上で最も大切な場所になります。大切な家族といつまでも幸せに暮らすためにも、1つ1つの項目ごとにしっかりとリサーチを行って、安心して家づくりが進められるようにしたいですね!

P.S.私達の希望である、 こんな間取りが可能な土地に出会えますように!

Credits // Author and Photography: Rainbow DIY

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